練筋術講座【喰】練筋術講座 【精製材料編】 ■第一講 カルシウム ■第二講 たんぱく質 ■第三講 ビタミン&ミネラル ------------------------------------------------------------------------------------------- 第一講 カルシウム A:強い骨を作るにはカルシウム、ビタミンDをしっかり取りましょう。 スナック菓子はカルシウムの摂取を阻害する傾向にあります。 スナック菓子やインスタント食品の中に入っている「りん」が カルシウムの吸収を低下させる作用があるので、ほどほどに。 本来「りん」は必要なミネラルですが、 カルシウムの摂取量とのバランスが崩れると吸収を抑制してしまいます。 理想のバランスは1対1ですが、 現在の食生活では2倍「りん」を摂取しているデータが出ています。 例えば肉はカルシウム1に対してりん40です。崩れすぎです。 Q:お勧めの食品はありますか? A:加工食品はりんの含有量が多いのでお勧め出来ません。 昔から言われている事なので、当たり前になってしまいますが、 牛乳、小魚はカルシウム、たんぱく質の「宝庫」で、 カルシウムとりんのバランスも1対1です。 若者は高齢者に負けず食べましょう! Q:牛乳、というか乳製品は日本人に合わないのでは? 日本人の多くは乳糖が分解できないので、 本当に吸収利用できる人は5%位しかいないとか・・・。 A:乳製品の吸収については 最近の人は比較的乳製品のの吸収はよくなってきているそうです。 ただ、乳糖を分解する「ラクターゼ」という酵素によって消化されるのですが 乳製品に(特に牛乳)を大量摂取するとラクターゼが働かずに お腹を壊しやすくなります。 摂取するときは少しづつ、頻繁に栄養摂取しましょう。 ちなみに乳糖はカルシウムの吸収を促進する作用があります。 好き嫌いせずバランスよく食べましょう。 牛乳が苦手な方なら 切り干し大根、焼きのり、干しえび、丸干し、ひじき等 日光を浴びた食品はカルシウム、ビタミンDが豊富です。 日光浴もいいですね。体内のビタミンDの生成を活性化してくれます。 夜更かししないで朝から日光を浴びましょう。 Q:目安はどのくらいですか? 一般の人と格闘家では摂取量は違いますよね? A:カルシウムの一日の摂取の目安は 一般人では体重kg当たり10mgだとされています。 体重60kgで600mgですね。 トップアスリートを目指すのであればその倍以上は目標にしましょう。 同じ体重の人なら1000mg~1500mgを摂取できればいいと思います。 ちなみに200gの牛乳一杯で200mg、 ししゃも1尾(約22g)79mg位です。 という事は、上記の体重の方なら牛乳5~6杯。 ししゃもなら13~19尾ですね。 ひとつの目安にして下さい。 ------------------------------------------------------------------------------------------- 第二講 たんぱく質 Q:「休息中は栄養を十分与えて体を成長させましょう」(人体練成編 第三講) とありますが、何を摂ると良いのでしょうか? よくたんぱく質なんて言いますよね。 あと、どのくらい摂るのが良いのでしょうか? A:必要な栄養は「たんぱく質」です。 量はトレーニングをした日は体重の数字(60kgなら60)に 倍(×2)をしたgが適当であるといわれています(例でいけば120g)。 ちなみに、卵一個(50g)、牛乳200gでたんぱく質は約6g位です。 豆腐一丁300gでは、約20gです。 Q:例えば例の60kgであれば、豆腐であれば6丁という事ですよね? これは1回の食事で食べるのはちょっと無理なので 1日3食であれば1回に2丁づつで良いのでしょうか? A:豆腐おいしいですよね。僕は大好きです。 冷奴に、湯豆腐、味噌汁に入れてもおいしいし、豆腐ハンバーグもおいしいですね。 おっと、豆腐ばかりでなく色々食べましょう。日本人なら魚かな。 肉を食べると闘争心がわくって言いますね。 Q:闘争心がわく!?、格闘技に向いてる気が。 例えば肉ばかり食べるのはどうなんでしょうか? やはり他の物も色々食べた方が良いんでしょうか? A:肉は良質のたんぱく質を含んでいますが同時に脂肪も多く含んでいますね。 体重が気になるのなら他の食品も選んでみましょう。 例えば「豆腐」とか(笑)。 Q:強くなるなら食事も考えなければいけませんね。 A:たんぱく質は食事でちゃんと摂っておかなければいけません。 基本として食事をしっかり取りましょう。その上でサプリメントを利用します。 食事の基本栄養の対比は 糖質:たんぱく質:脂質を3:1:1の比率になります。 Q:対比はたんぱく質と脂質は同じですよね。 これは量ですか?よくカロリーなんて聞きますが? A:カロリーです。後は、体重を気にかけながら、太ってきたら 糖質の比率を下げてたんぱく質の比率を上げるなど微調整してみてください。 Q:糖質の比率を下げる前に脂質は下げなくて良いんですか? A:糖質と脂質の比率は、一般的には脂質の比率を下げた方が良いのですが、 最近の日本人の食生活は高糖質食といわれているので、 脂質は勿論の事、糖質の比率を下げた方が良いという事です。 糖質はエネルギーとして処理されなければ結局体内で脂肪になっていくので・・・。 Q:ということは減量の時は比率をもっと下げれば良い分けですね? A:糖質を取らないと皮下脂肪をどんどん消費するのでお勧めです。 でも、たんぱく質は摂って、筋肉は小さくしない様に。 Q:たんぱく質の摂取量の(体重×)2gは減量の時も同じ量で良いんですか? A:減量中もたんぱく質は同じくらいかそれ以上摂りたいですね。 2,5~3gがかなり理想的な数字ですね。 減量中に糖質を減らしていくと次に筋肉の分解がおきるので たんぱく質は通常よりも多めの摂取が大事ですね。 通常時に多めにたんぱく質を取ったらその分、 運動していかないとあまったたんぱく質は結局脂肪になってしまいますからね。 たくさん、運動しましょう。 Q:ボディビルダーとか肝臓壊すくらいたんぱく質摂ってますよね? A:ボディビルダーの人は体を大きくするのが競技ですから たくさんのトレーニングとたくさんのたんぱく質で良いと思います。 でも、取りすぎには注意したほうが…。 さて、最後に「たんぱく質」はいつ摂取すれば実際に筋肉になりやすいか。 1.トレーニング直後 2.寝る前 この二点がたんぱく質を摂取するのにゴールデンタイムですね。 トレーニング後、寝ている時は成長ホルモンがたくさん分泌されます。 そのタイミングを狙うって事ですね。 実際に活用しやすいのはプロテインパウダーでしょうか。 豆腐はちょっと持ち歩けないですもんね・・・。 Q:持ち歩く以前にトレーニング直後に豆腐を食するのはちょっと…(笑)。 ------------------------------------------------------------------------------------------- 第三講 Vitamins&Minerals Q:この所、風邪が治らなくて… ビタミンCを摂ると良いと聞いたんですが、そうなんですか? A:ビタミンは量は少なくても栄養状態をコントロールしてくれるものですね。 不足すると色々体調面でも不具合が生じてきますね。 ビタミンCは確かに風邪などに効果があります。 ビタミンCは細菌、ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンの生成に関与しています。 ストレスを受けるとどんどん減っていくので毎日補充しましょう。 他には腱や靱帯の成分であるコラーゲン生成や カルニチン(*)の代謝作用に関与して スタミナ作用を発揮したります。 ちなみにビタミンCは正式名称「アスコルビン酸」といいます。 *=運動時のエネルギー生産に利用される物質。近年ではダイエット用のサプリメントとして注目されている。 Q:確か保存料でビタミンCって書いてある商品が 最近多いと思うんですが、その保存料も栄養あるんでしょうか? A:保存料のビタミンCはほとんど栄養素はないそうです。 Q:摂取量の目安はありますか? A:アスリートが一日に必要な量は2000mgくらいですね。 これは約レモン(100g中に100mg)20個分位です。 ちなみにアセロラはレモンの38倍ビタミンCを含んでいます。 Q:ビタミンC=レモンのイメージが強いですが、アセロラですか。 A:他にもグァバ、ゆず、すだち、イチゴ、キウイ、柿、パパイヤなどは レモンより含有量が多いですね。 Q:格闘技とかだと相手とのコンタクトも多いですし、 普通のアスリートよりもストレスが多い気がしますね。 A:さらに体温が上がるとビタミンCの消費量も約25%アップします。 これだと練習中はストレス+体温の上昇で相当消費してしまいます…。 格闘技は普通のアスリートよりも栄養素をたくさん取りましょう。 ストレスもエネルギーの消費も激しいですからね。 ビタミン、ミネラル等も不足しないようにしましょう。 Q:ミネラル・・・、スポーツすると頻繁に足がつってしまうのですが、、 これはミネラル不足ですかね?栄養面から改善できますでしょうか? A:栄養的には、まずは「カリウム」でしょう。 カリウムは細胞の中で浸透圧の調整や筋肉の収縮に使われます。 もし減少すると「つり癖」が出ちゃいますね。 汗から大量に喪失する事もあり、疲労感・脱力感の原因にもなります。 一日の摂取目標は2~4gですね。 Q:食品としては何がありますか? A:良く言われるのはバナナですね。オレンジなどの果汁にも含まれています。 100%のオレンジジュースなどがお勧めです。 ほとんどの果物1個分で4gくらいですね。 Q:果物以外では? A:魚で小さい一切れ、牛乳1杯、ほうれん草2分の1カップなど少量で摂取可能です。 もう一つ「マグネシウム」も大事ですね。 マグネシウムは細胞内のカリウムのバランスをとる役目をしてくれます。 マグネシウムが不足すると筋肉の収縮が上手くいかなくなります。 =つってしまう、という事です。 マグネシウムがたくさん入っているのは「ゴマ」ですね。 ゴマを何にでも振りかけてたくさん摂取しましょう。 一日の摂取目標は500mgですね。 つり癖を防止してください。 ちなみにマグネシウムにはカルシウムの働きを助ける役割もあります。 最近のサプリメントにはカルシウムマグといった感じで カルシウムとマグネシウムが2対1の割合で入っているものが増えていますね。 Q:他のミネラルはどの位摂ったら良いのでしょうか? A:ミネラルは最低限これ位とってください。 カルシウム・・・600mg~1000mg。多く含んでいる食物は牛乳、煮干などです。 鉄・・・10mg~12mg。多く含んでいる食物はレバー、卵などです。 リン・・・600mg~1000mg。多く含んでいる食物は肉、魚、卵などです。 ナトリウム・・・0.5g~5g。塩、味噌、しょうゆなどが多く含んでいます カリウム・・・2g~4g。多く含んでいる食物は果物、大豆、海草などです。 Q:効果はどうなっていますか? A:以下のようになっています。 カルシウム・・・骨や歯の発育、強化。筋収縮神経伝達。骨粗鬆症。神経過敏などになる。 鉄・・・ヘモグロビン、ミオグロビンの形成。足りないと鉄欠乏貧性血。乳児期は発育の遅れ。 リン・・・骨を形成。ATP代謝に関与。足りないと骨折の可能性が増大。 ナトリウム・・・細胞外液にあり+イオンの一つとして浸透圧に関与。 足りないと筋肉の痙攣、精神的無気力になりやすい。 カリウム・・・細胞内液の中心的-イオン。浸透圧に関与。 足りないと筋力低下、腸閉塞症になりやすい。 Q:なるほど。C以外のビタミンはどうでしょうか? A:ビタミンは以下のような種類があって効果があります。参考にしてください。 ビタミンB1・・・糖の代謝に利用。足りないと食欲不振などになる。 ビタミンB2・・・糖、脂肪の代謝に利用。足りないと消化不良などになる。 ビタミンB6・・・蛋白質代謝、赤血球形成に利用。足りないとめまいや成長障害などが起きる。 ビタミンB12・・・脂質代謝、赤血球形成に利用。足りないと貧血、鬱病になる。 ビタミンC・・・コラーゲン生成、細胞膜の保護、アミノ酸代謝に利用。足りないと貧血、風邪、虫歯になりやすい。 ビタミンD・・・カルシウム、リンの吸収に利用。足りないと下痢、不眠症になりやすい。 ビタミンA・・・目の機能を正常に保つ。足りないと眼球乾燥症、肌荒れになりやすい。 ビタミンE・・・細胞膜の保護。足りないと抜け毛や筋肉の衰弱になりやすい。 ビタミンK・・・血液の凝固性の維持。足りないと出血しやすくなる。 以上が代表的なビタミンの役割と不足時の症状です。 Q:例えば貧血でめまいがあったら何が足りないんですか? Bですか?Cですか? やっぱり両方? A:貧血でめまいなら両方ですかね。しっかりビタミン補給を忘れずに。 ビタミンの一日の所要量と多く含んでいる食べ物は。 ビタミンB1・・・0.4mg/1000kCalが一日の所要量です。多く含んでいる食物は豚肉、鮭、大豆、麦などです。 ビタミンB2・・・0.55mg/1000kCalが一日に一日の所要量。多く含んでいる食べ物はウナギ、レバー、卵などです。 ビタミンB6・・・3~4mgが一日の所要量。多く含んでいる食べ物は牛、穀類などです。 ビタミンB12・・・2~3mgが一日の所要量。多く含んでいる食べ物はレバー、牡蠣、牛乳など。 ビタミンC・・・50mgが一日の所要量。多く含んでいるものは果物、野菜など。 ビタミンD・・・100IUが一日の所要量。多く含んでいる食べ物はマグロ、イワシなど。 ビタミンA・・・2000IUが一日の所要量。多く含んでいる食べ物はウナギ、魚の肝油、レバーなど。 ビタミンE・・・10mgが一日の所要量。 多く含んでいる食べ物はアーモンド、落花生、植物油など。 ビタミンK・・・0.07mg~0.14mgが一日の所要量。 多く含んでいる食べ物は緑黄色野菜、海草などです。 以上を参考にしてみてください。 Q:上記の食べ物が食卓にすべて上がる食事なんてあるのでしょうか? A:全部の食材が出る必要はないです。 例えばレバーは3つ(B2、B12、A)に入ってますから、 レバニラ(ニラレバ?)炒め1つでB2、B12、AはOKですよね? 植物油を使えばEも入りますよね。 あとはご飯、野菜、納豆でも食べればほとんどカバー出来る筈。 俗に言うバランスの良い食事ですね。 Q:一度に全部とる必要はないんですよね。 A:一日でビタミンをカバーできるようにしましょう。 そんな訳で食べすぎには注意です。 ------------------------------------------------------------------------------------------- 【講師紹介】 通称:某トレーナー 特技:新技の開発(の実験台) 普段は平凡なスポーツクラブのトレーナー。しかし真の姿は「喧嘩師・花山薫」を目指し、トレーニング知識を取り入れているであろうブラジリアン柔術を主体に闘う平凡なスポーツクラブのトレーナー。鋼の練筋術師と言われているとかいないとか…。 |